マトリクス回答形式とは、アンケートや調査において、複数の質問項目と回答選択肢を行と列で構成された表形式で提示する方法を指します。この形式は、回答者が一目で全体の質問と選択肢を把握できるため、効率的に回答を進めることができます。例えば、製品の各要素(価格、品質、デザインなど)に対する満足度を「非常に満足」「満足」「普通」「不満」「非常に不満」といった選択肢で評価する場合、行に製品要素を、列に満足度の選択肢を配置することで、効率的に回答を集めることが可能です。この形式の特徴は、複数の項目に対する一貫した評価基準を提示できるため、データの比較や分析が容易になる点です。

マトリクス回答形式は、効率的なデータ収集を実現する一方で、質問数が多くなると回答者が負担を感じる可能性があります。また、視覚的に分かりやすく設計しないと、回答ミスが発生しやすくなるリスクもあります。そのため、適切な項目数と選択肢の幅を設定し、回答者の負担を最小限に抑えることが重要です。

この形式は、マーケティングリサーチや社会調査、ユーザー体験(UX)に関する調査で頻繁に用いられ、収集したデータはクロス分析や要因分析に活用されます。また、オンライン調査ツールを使用すると、この形式の設計とデータ集計が効率化されるため、リサーチにおいて重宝されています。