流動性のわな(流動性の罠)とは、経済学における概念で、利子率が極めて低水準に達し、中央銀行が金融政策としてマネーサプライを増加させても、投資や消費が促進されず、景気刺激効果が得られない状況を指します。この状態では、人々は将来の利子率上昇による債券価格の下落を懸念し、現金を保有し続ける傾向が強まります。その結果、金融政策の効果が限定的となり、経済は停滞したままとなります。この概念は、ジョン・メイナード・ケインズによって提唱され、特にゼロ金利政策下での政策効果の限界を説明する際に用いられます。