母集団とは、統計学において、特定の調査や研究の対象となる全ての個体や要素の集合を指します。例えば、全国の高校生の平均身長を調査する場合、全国の高校生全員が母集団となります。母集団の特性を直接調査することは、規模やコストの面で現実的でない場合が多いため、一般的には母集団から無作為に抽出した一部の要素(標本)を調査し、その結果を基に母集団の特性を推定します。この際、標本が母集団を正確に代表していることが重要であり、適切なサンプリング手法の選択が求められます。また、調査結果の精度を高めるためには、標本誤差や無回答誤差などの非標本誤差を最小限に抑える工夫も必要です。母集団の定義や範囲を明確にすることは、統計調査の信頼性と有効性を確保する上で不可欠な要素となります。