心理的価格設定とは、消費者の心理を利用して価格を設定し、購買意欲を高める方法です。この価格設定にはいくつかの代表的な手法があります。たとえば、端数価格設定は「999円」「1980円」といった少し切り下げた価格を提示することで、消費者に割安感を与えるものです。人は左端の数字に強く影響されるため、「1000円」と「999円」では実際の差以上に安く感じる傾向があります。また、名声価格設定では高価格を設定して「高級」「上質」を印象づけ、ブランド価値を高めることを目指します。これは高級品やプレミアムサービスでよく用いられます。さらに、松竹梅の法則に基づく段階価格設定もよく使われ、中価格帯の商品が選ばれやすいことを狙って複数の価格設定を行う手法です。このように、心理的価格設定は価格の見せ方や設定の工夫によって消費者の購買意識に影響を与え、購入を後押しする戦略として広く活用されています。