希望小売価格(メーカー希望小売価格)とは、製造業者が小売業者に対して提示する商品の販売価格の目安です。法的拘束力はなく、実際の販売価格は小売業者が自由に決定できます。
希望小売価格の主な特徴は、価格の目安としての役割と、ブランドイメージの維持にあります。消費者に対して商品の価値や位置づけを示す指標となり、高級ブランドなどでは、希望小売価格を設定することでブランドの価値を維持する効果があります。また、小売業者間の過度な価格競争を抑制する効果もあります。マーケティング戦略として、値引き販売の基準となり、消費者に割安感を与える手段として活用されることがあります。ただし、独占禁止法の観点から、メーカーが小売価格を拘束することは禁止されています。希望小売価格は、メーカーと小売業者、消費者の間のコミュニケーションツールとしての役割を果たしていますが、インターネット販売の普及や価格競争の激化により、その意義や役割が変化しつつあります。